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[ 現在書いている小説の一部抜粋 その2 ]
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今度はその電柱に歩み寄り、裏側を覗き込んだ。案の定何もない。見つかったのは健気な雑草が一本、ひび割れたアスファルトの隙間から葉を伸ばしている。夢でも見ていたのだろうか。暑さで頭がどうかなったとか。だが、気配は本物だったはず・・・。見間違えたとして、一体何と見間違えたんだ?
みゃ~お・・。
顔を上げると、俺の目の前の塀の上を一匹の黒猫が散歩していた。こいつか。人騒がせな・・・。
ぞくっ・・・。
再び背後で感じた気配に体が自然と反応した。はっきりと感じる。間違いなく何かいる。しかも今度は複数だ。見間違いじゃなかったのか? そんなことを気にする前に、俺は一切の考えをかなぐり捨てて振り返った。
ドクン!
さっきよりも更に強く心臓が跳ねた。目の前の景色が、先程までの夕焼けに染まる路地でなくなっていた。暗い、暗い世界。目の前にある俺の立っていた側の反対側の塀は黒いドロドロとした何かになっていた。その表面を網目状に赤いラインが走り、ぴくぴくと波打っている。まるで手の甲に浮かぶ静脈のようだと思った。ただし、その手の甲は皮を剥いで血管を露出している状態だ。晴れていた空には重い灰色の雲がかかり、赤い雷が時折雲を赤く染めていた。見渡す限り赤と黒の世界。
心臓がさっきから暴れっぱなしだ。そのうち破裂でもするんじゃないかと思えた。目の前の訳の分からない光景に混乱し、思わず両手のビニール袋から手を離した。くちゃっと音がしてそれはアスファルトに落ちた。・・・いや、アスファルトではなかった。俺がずっとアスファルトだと思って立っていたそれは、この世界では違った。赤茶けた金網がそれの代わりに延々と続いている。おまけにその網の下からは何とも言えない不快な臭いが漂ってくる。赤と黒の混ざったガスのようなものが、網のずっと下の方で渦巻いている。底がない。気付けば俺は両手で頭を抱え込み、網の遥下を凝視していた。ギラギラ光る無数の目がだんだんと近付いてくる。黒い霧のようだったそれは金網を通り抜け、俺の目の前に、取り囲むようにして現れた。子供のような姿。目だけが異様に輝いている。金網がカタカタと音を立てている。それが歩いているのだ。それもこちらに。息ができない。目も開けていられない。ただ分かるのは、それがじりじりと詰め寄ってくる気配・・・。
気まぐれに書いてます。まだタイトルも決定していません。ジャンルも不明です。さて、どんな小説になるのか。それは作者にも分かりません。何も決めていません。ここまで無計画に書き始めたのは初めてです。公開しなくてもよいと言う安心感からでしょうか。
ただただ、以前から思い描き、いつか使ってみようと決めていた世界を再現してみました。