『Because・・・』(主若瑛)~第3章~
頭の中の出来事を、文章にするのは大変ですねι 話の流れとして大切な場面だと思うシーンでも、なかなか文章が進まなくて、悪戦苦闘した回でしたww 前回のお話 http://mp.i-revo.jp/

ASHURAさんのブログ記事

前へ[ 『Because・・・』(主若瑛SS)~第2章~ ]
[ 声優当てはめバトン(男キャラver) ]次へ

『Because・・・』(主若瑛)~第3章~

spacer

頭の中の出来事を、文章にするのは大変ですねι
話の流れとして大切な場面だと思うシーンでも、なかなか文章が進まなくて、悪戦苦闘した回でしたww



前回のお話
http://mp.i-revo.jp/user.php/lcmwnyml/entry/213.html (new window)




恋せよ乙女!!←何




以下二次創作です。
苦手な方はご遠慮ください。












窓から差し込んでくる月の光が、小さな空間を淡く色付かせている。
そんな中一人佇んでいる若王子先生が、微笑みを絶やさないまま私に声を掛けてきた。


「こんばんは。あっちの部屋ずいぶんにぎやかですけど、君は混ざらなくてもいいんですか?」


その言葉を聞いた時、私の心臓は一つ高鳴った。
直接的に関係はしていないのだけど、はるひや他の友人達が騒ぎを起こしているという事実を私は知っているから。
なんとなく後ろめたさが残る心で私は先生に問いかけてみる。


「・・・注意しに、行かなくていいんですか?」



普通なら、騒ぎを聞きつけた教師は生徒を注意・・・もとい、叱りに行くのがお決まりである。

それなのに先生はさっきからずっと、注意をしに行く素振りさえも見せず、笑顔を絶やさずに上機嫌でいた。



「そうですね。本来ならそうしなければいけないんでしょうけど・・・。でも今は先生、かくれんぼしています」

「え?」

「なので、先生は何も見ていませんし、何も聞いていません。そういう事にしておいてください」


口元に人差し指を立て、内緒話をするかのように私に言葉を紡ぐ若王子先生。

私は突然の事で先生の言葉がよく理解できなくて、少しだけ小首を傾げてしまった。
そんな私を見た先生は、空を仰ぐように見つめながら、その理由をゆっくりと説明してくれる。



「修学旅行って言うのは一生の思い出になるでしょう。先生は皆に、楽しい思い出をたくさん作ってもらいたいんです。今のこの一瞬も・・・、その思い出の一部になります。だから、先生はその邪魔をしたくはないのです」



その先生の姿に・・・、先生が紡いでいく言葉に、私は目を奪われていく。


『思い出作り』をして欲しいと言って、騒いでいる生徒を見て見ぬふりをする若王子先生。

それ自体は決して良い行いとは言えないかもしれない。
先生が、生徒を注意するのは、当たり前の事だから・・・。

みんな心の中では本当は判っている。
こんな時間に、こんなに騒いでいたら、きっと先生方の誰かに怒られるって事くらい。
判っているけど、楽しくて、止められなくて、怒られるまで続けてしまう。


その時は確かに悲しくなったり、嫌な想いをするかもしれない。
でもそれはいつの日かにきっと―――。


「・・・先生?怒られる事も、『楽しい思い出』になるんですよ」
「え?」
「その時は悲しかったり苦しかったりするかもしれませんけど、“あの時先生に怒られたね”って、いつか笑って思い出すんです。それも“楽しい思い出”になると思いませんか?」



生徒を注意するのは、教師として当たり前の事に過ぎない。

それをしないで、『思い出作りをして欲しい』と言う先生は、もしかしたら間違っているのかもしれない。


でも、そんな先生の優しい心が、私達の心を救ってくれる。
こんなに優しさに溢れている人に出会ったのはきっと初めてで・・・。
先生に出会えて、本当に良かったと思った。



私の言葉に少しだけ驚いた様子を浮かべた若王子先生。
少しの間続いた沈黙の後、先生はとびきり優しい微笑みを浮かべる。



「そうですね。では、後で気張ってお説教しに行っちゃいます」

「ふふ。お手柔らかにお願いしますね」

「どうでしょう、先生は手厳しいですよ?」


私と先生の間に、柔らかい空気が流れた。


些細な会話なのに、二人きりで笑い合っているこの一時が、先生との思い出を作る事を諦めていた私には贅沢すぎる程幸せで・・・。


時間が止まってしまえばいいのにとさえ思っていた。




「先生は今日どこを周ったんですか?」


自由行動を佐伯君と一緒に周っていた私には、先生が何所で誰と一緒に周っていたのか知る由もなく、素直な好奇心で先生に聞いてみた。


「先生は、自由行動のスケジュールを提出しなかった皆と一緒にいろんな所を周りました。あ、縁結び祈願も行ってきましたよ」

「縁結び・・・ですか?」



何気なく問いかけた言葉が、私の心を絞めつけて、それまで晴れ晴れとした気持ちでいた心に陰を落とした。



「一緒に周ってた女の子が片思いで悩んでいて、一緒にお参りして欲しいと頼まれたのです。先生は恋に関しては何も出来ないから一緒にお願いすることしか出来ないけれど・・・」


「そう・・・ですか・・・」




その言葉を聞いて、私はふいに思ってしまった。

その子は先生の事が好きなんじゃないかって。



皆と一緒でもいいから、先生と一緒に周りたくて。

どんな理由でもいいから、縁結び祈願を一緒にして欲しくて。

先生との『楽しい思い出』を作りたくて―――。




そう思ってしまうのは、私の考えすぎなのかな・・・?




「叶うと、いいですね。その子の恋・・・」


苦しい心を隠して、私は努めて笑顔を作りながら先生に言葉を返した。

けれど、若王子先生には隠しごとは出来ない。
私の表情が陰ってしまったのをこの人は見落としたりしなかった。



「・・・どうしました?眠くなっちゃったのかな?」


「・・・はい。私そろそろ部屋に戻りますね。・・・おやすみなさい・・・」




先生の顔が見れない。
今見たら・・・顔を上げたら、涙が頬を伝ってしまいそうだったから。


私は悪いと思いながらも、素っ気なく先生に言葉を返し、足早に部屋へと戻った。





判っていた。
涙が出そうな理由も、この胸の苦しみの訳も―――。


先生を想っている子は、私だけじゃない。
ずっと心に言い聞かせていたはずだった。



でもどこかで、私だけの特別な感情だって思っていたかったのかもしれない。


私には何も出来なくて、逃げてばっかりで、諦めてばっかりで・・・。
でも本当に諦める事なんて出来なくて・・・。


私には出来ないことを―――、先生の近くに行くって、簡単なようで難しい事を、一生懸命実行に移している子がいる。
その事を知って私が抱いた感情。




そう、これは、嫉妬だ―――。



「・・・・何も出来てないくせに・・・、一人前にやきもちだけは妬けるんだね、私・・・」




悔しかった。


自分がこんなに醜い感情を抱いているってことに。


何も出来ないのに、僻んでばっかりな自分に。




どうしてこんな感情が生まれるのかが判らなくて、悔しくて、苦しくて、泣けてきた。



大切な人の幸せを、願える人になりたい。

どんな形でもいい。


先生の笑顔が見たいって思う。
笑ってて欲しいって思う。


たとえ自分の気持ちを押し殺す事になったとしても・・・。



そう思っているのに、心にはウソをつけないみたい。
私が先生の一番近くに居たいっていう・・・私の本音が、胸の中で溢れてしまった。



私は布団の中で静かに枕を濡らした。

次々を零れ落ちる涙と一緒に、この汚い想いも流れて欲しい。



そうすれば明日、また笑顔になれるから――――。










To be continude・・・



  • │2010-02-02 12:32:26│ カテゴリー:日記│ コメント(4)
  • 宛先 :
loading
ASHURAさん
お友達人数:22人
spacer
spacer

© 2017 Internet Revolution